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308nmエキシマレーザーは海外では2000年頃から乾癬や白斑に対して広く用いられて来たが、本邦ではXTRAC Velocity7が2019年2月に国内で唯一の薬事承認機器となり、ようやく2019年9月に保険収載されナローバンドUVBやエキシマライトと同様に長中波長紫外線療法として保険点数算定が可能となった。また2020年4月から円形脱毛症に対しても保険適応になったことは大きなトピックスである。XTRAC Velocity7は照射面積が小さいことから,正常部位への不要な紫外線曝露を回避できるターゲット型紫外線治療器として有用であるとともに、高輝度でエネルギー減衰も小さく深達性に優れており、治療に要する照射時間が非常に短いので、ある程度の広範囲な病変にも対応できる。今回のセミナーでは308nmエキシマレーザーによる紫外線治療として尋常性白斑に対する効果および難治性の白斑に対する最小水疱形成量(Minimal blistering dose)に基づいた照射の有効性、白斑での治療効果の免疫組織学的検討に加えて、円形脱毛症に対する治療効果についても報告する。
以前よりPUVA療法やNB-UVB療法などの光線治療が施行されてきた。近年では、ターゲット型エキシマランプ治療器が国産化され皮膚疾患光療法のスタンダードとして普及している。エキシマレーザー機器は2006年にPhotoMedex社から発売された後にバージョンアップを経て第五世代にあたるXTRAC®︎が供給されている。本邦では2019年にXTRAC®︎が保険収載され実臨床で使用可能となった。エキシマレーザー治療は308nm のレーザー光を発する光治療器で国外では約13年の歴史があり文献的にに多数の治療報告がある。 当施設では、2014年の開院以来、ターゲット型エキシマライト(VTRAC)にて光線療法を施行してきたが、新たに2020年1月からXTRAC®︎を導入した。当施設での対象疾患は尋常性乾癬、尋常正白斑、円形脱毛症などである。また、慢性痒疹、アミロイド苔癬などの難治性症例に関しても治療を試みている。XTRAC®︎治療導入後、約10ヶ月の時点における治療効果、副作用、機器変更に伴う相違点などを報告する。