学会情報詳細
第120回日本皮膚科学会総会
日程
場所
パシフィコ横浜
イブニングセミナー
会場
日時
テーマ
近年エキシマライトの普及は目覚ましく、その効果は、尋常性白斑はもとより円形脱毛症においても実証されつつある。しかし難治な症例も多く、次の一手が必要なケースが多い。そこで登場してきたのが、エキシマレーザーである。エキシマライトより照射率が極めて高く、スムーズな照射と絶大な効果を有する。特に円形脱毛症は、昨年4月より保険適応になり、患者数の多さから需要は極めて高く、その効果は大いに期待されるところである。当院においても、円形脱毛症を含む各種疾患において、エキシマレーザーの効果を実感するとともに、その効果を最大限に引き出す様々な照射方法や併用療法を試みているところである。よって本講演では、エキシマレーザーの効果を尋常性白斑と円形脱毛症に絞って解説するとともに、当院にてこれまで試みてきた照射方法や併用療法の一端を紹介したい。
エキシマレーザーは308nmの単色光を非常に高い輝度で照射することが可能であり、これにより皮膚真皮への高密度の光の到達を実現される。そのため従来の光線療法で効果が十分に得られなかった難治性の病変や真皮が主座である病変に対する治療効果が期待される。XTRAC Velocity7はこのエキシマレーザーを搭載した紫外線治療器であり、2019年9月より保険点数算定が可能になっている。当教室ではこれまでNB-UVBやエキシマライトにより治療するも十分な効果が得られなかった尋常性白斑や円形脱毛症、菌状息肉症などの症例に対してXTRAC Velocity7による光線療法を行い良好な治療結果を得ている。さらに本院の臨床倫理委員会の承認を得て、サルコイドーシスなど肉芽腫性疾患の治療にも使用している。本講演では当科で経験した症例を供覧し、難治性疾患に対するXTRAC Velocity7による治療の可能性について考察する。