学会情報詳細
第85回日本皮膚科学科東京支部学術大会
日程
場所
京王プラザホテル
アフターヌーンセミナー
会場
日時
テーマ
尋常性白斑の治療の有効率は未だ高いとは言えない。本邦では308 nmエキシマライトがターゲット型紫外線治療器として広く使われてきたが、2019年に入り、308 nmエキシマレーザーXTRAC®が薬事承認機器となり、さらに保険収載もされた。そこで25名の尋常性白斑患者にXTRAC®による治療を行い、有効性を確認した。そのうち2例は左右対称の病変で、半側ずつエキシマライトとエキシマレーザーを照射した。本治療において、部位による差はあるものの高い色素再生率が確認された。エキシマライトの照射で色素再生が乏しかったがエキシマレーザーに変更して色素が誘導された症例も散見された。左右で比較した症例では、エキシマレーザーでより高い色素再生率が確認された。使用したエキシマレーザーは単一波長で位相が一致し、光の方向性が一方向性であるというレーザーの特徴に加えて、パルス発振であり輝度がエキシマライトの数十万倍となる。これらが高い効果に影響していると考える。また、同じ波長であっても、輝度が明らかに異なる光は、皮膚に対しての作用が異なる可能性も示唆された。
エキシマレーザーは308 nmの単色光を非常に高い輝度で照射することが可能であり、これより皮膚真皮への高密度の光の到達を実現する。そのため従来の光線療法で効果が十分に得られなかった難治性の病変、特に真皮に病変の主体がある疾患に対する治療効果が期待される。XTRAC® Velocity7はこのエキシマレーザーを搭載した紫外線治療器であり、2019年9月より保険点数算定が可能になっている。 富山大学皮膚科では2019年12月よりNB-UVBやエキシマライトによる治療で十分な効果が得られなかった尋常性白斑や円形脱毛症、また菌状息肉症の結節性病変などに対してXTRAC® Velocity7による光線治療を行い良好な結果を得ている。さらに本院の臨床倫理委員会の承認を得て、サルコイド―シスの皮膚病変や環状肉芽腫の治療にも用いている。本講演では当科でXTRAC® Velocity7により治療した各種疾患の症例を供覧し、通常の治療で苦慮する皮膚疾患に対するXTRAC® Velocity7治療の可能性について考察する。
ハンズオン
会場
日時
テーマ
備考
【対象】炭酸ガスレーザー・Q スイッチルビーレーザーの経験が少ない、又は基礎から学びたい初心者向け
良性色素性皮膚疾患治療に用いる炭酸ガスレーザーとQ スイッチ及びノーマルモード付きルビーレーザーに
ついて、講義を通し基礎から理解を深める。炭酸ガスレーザーとQ スイッチルビーレーザーの使用方法、練
習方法などレーザーの経験が豊富な講師から実演を通して学ぶ。
皮膚科診療に欠かせないレーザー機器の基礎知識と手技を『聞いて、見て』明日の診療に活かす情報の提供を
行う。