XTRAC® Velocity7は308 nmの単色光を83,000W/cm2の非常に高い光強度（輝度）で照射するエキシマレーザーを搭載したターゲット型紫外線治療器である。この高輝度のレーザー照射は皮膚深部への高密度の光の到達を可能にするため、近年、従来の光線治療で十分な改善が得られなかった病変に対しても有効であるとの報告が散見される。 当教室でもNB-UVBやエキシマライトなどの光線治療で十分な効果が得られなかった尋常性白斑、円形脱毛症、菌状息肉症に加え、当院の臨床倫理委員会の承認を得て、環状肉芽腫やサルコイドーシスなど肉芽腫性疾患、限局性強皮症など様々な疾患・症例に対してXTRAC® Velocity7による光線療法を行い良好な治療結果を得ている。本講演では当科で経験した症例を供覧し、どのような疾患がXTRAC® Velocity7治療の良い適応になるのか、機器の特性や308nm光が有する生物学的作用などをふまえて考察する。

近年、エキシマライトの普及は目覚ましく、その効果は、尋常性白斑はもとより円形脱毛症においても実証されつつある。しかし、難治な症例も多く、次の一手が必要なケースが多い。そこで登場してきたのが、エキシマレーザーである。エキシマライトより照射率が極めて高く、スムーズな照射と絶大な効果を有する。特に円形脱毛症は、一昨年4月より保険適応になり、患者数の多さからその需要は大きく、その効果は大いに期待されるところである。よって本講演では、尋常性白斑と円形脱毛症に絞ってエキシマレーザーの効果を解説するとともに、その照射におけるノウハウや併用療法を紹介したい。