学会情報詳細
第74回日本皮膚科学会中部支部学術大会
日程
場所
国立京都国際会館
ランチョンセミナー
会場
日時
テーマ
中波長紫外線療法適応疾患の中で、乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症は生物学的製剤、JAK阻害薬で十分にコントロールが可能となった。しかしこれら以外の疾患、特に尋常性白斑は極めて難治のままである。2018年にエキシマレーザーXTRAC®が薬事承認機器となり2019年に保険収載もされたためにクリニックでの使用も容易になった。エキシマレーザーがエキシマライトと最も異なる点は紫外線の照度である。エキシマレーザーはエキシマライトの50万倍以上の強い光が出力される。このような桁違いの高輝度の照射により真皮深層まで十分な光が達することで真皮に病因のある皮膚疾患への有用性が期待できる。当院では2022年1月よりXTRAC®を導入し、エキシマライトで無効であった尋常性白斑、小児の全頭脱毛症、結節性痒疹、リンパ腫などの難治性皮膚疾患へ単独もしくはJAK阻害薬、手術療法などとの併用で治療を行っている。当院での導入までの流れ、収益、各疾患への実際の効果や問題点も含めてクリニックならではのXTRAC®の有用性について紹介したい。
円形脱毛症の国内患者数は、200万人以上と言われ、アトピー性皮膚炎と乾癬の合計患者数を優に超える。そしてさらに、ここ数年増加傾向が指摘され、それとともに重症例も増加し、治療困難な症例を多く見かけるようになってきた。特に、経過の長い全頭型などの重症円形脱毛症は、極めて難治であり、あきらめざる負えない症例が多くある。しかし近年、エキシマライト&レーザーの登場で、多くの難治症例を治せるようになってきた。特にエキシマレーザーは、エキシマライトより照射率が極めて高く、スムーズな照射と絶大な効果を示す。実際に当院では、エキシマレーザーによって多くの重症例を改善させてきた。よって本講演では、エキシマレーザーを使用した全頭型や汎発型などの難治症例を全例供覧した上で、この治療効果を解説したい。そしてさらに、その照射におけるノウハウや併用療法を詳細に紹介したい。そして、あきらめずに治療を続けることの重要性を強調したい。