ランチョンセミナー
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「医は仁術なり、算術にあらず」という教えに対して、反論を唱える者は誰もいない。医療技術の進歩に伴い、よりよい治療を患者に提供するにはそれなりの医療設備を揃えないと「仕方がない」「設備のある施設へ紹介しましょうか?」などと目の前の患者を治療しようという自分の思いを封じ込めてしまうことになる。ここ10数年程の間、クリニックでのNB-UVBやエキシマランプを使用した紫外線治療の普及は目覚ましく、今日の日常診療に欠かせないと言っても過言ではない。このような時代の中、誰もがエキシマランプより高輝度なエキシマレーザー( XTRAC® )はいい治療成績を出す医療機器であることは認めているものの、高額である故、クリニックへの導入をためらってしまうのは当たり前の事である。そこで、本当に算術を考えなくても仁術の考えで、この高額な医療機器の購入に関して、どのように考えるかをシミュレーションし、クリニックへのXTRAC®の導入について考えてみたい。
当院では、ナローバンドUVB、ターゲット型エキシマライト(VTRAC、ExSys308)、エキシマレーザー(XTRAC)を用いて種々皮膚疾患に対して積極的に紫外線治療を行っている。紫外線治療は、乾癬・白斑・円形脱毛症・アトピー性皮膚炎などの治療選択肢としてもはやメジャーな方法となり、クリニックでも安全で有用性が高い機器を用いた治療が行えるようになっている。しかし、実はクリニックには前述の疾患以外にも、皮膚そう痒症、いわゆる慢性湿疹の苔癬化局面や掻き壊した病変、汗疱状湿疹、痒疹など、「治療に難渋するが、紫外線治療の有効性が期待できる」病態を有する患者さんがあふれている。 当院の症例を供覧しながら、より高い治療効果を得るための紫外線治療器の特性を活かした使い分け、併用療法、期待した効果が得られない場合の対処法などに加え、日々いかに楽しく紫外線治療器を使い倒しているかについて紹介する。