ミラドライは、マイクロ波を用いた腋窩多汗症・腋臭症治療器である。切開することなくニオイや汗の原因となる汗腺組織の存在する真皮深層付近を熱処理することができる。手術に比べて簡便で先進的な治療方法である。 ミラドライ治療のコツは、安全を担保しながら満遍なくよく焼くことにつきる。主な合併症としては神経障害、熱傷潰瘍、膿瘍などが挙げられるが、最も避けるべき合併症は腕神経叢麻痺である。 甲府昭和形成外科クリニックでは、2018年1月以降400例を超えるミラドライ治療を行ってきた。今回は、演者の6年間の施術方法の工夫、治療結果、合併症などについて述べる。

ミラドライは、汗腺に対してマイクロ波による熱変性という非可逆的な侵襲を加えることで効果を発揮する。腋窩多汗症や腋臭症に対し、皮膚切開を伴わずに治療部位に半永久的な効果を望める画期的な治療機器である。 現在、多くの施設でミラドライによる治療が行われているが、マニュアルに沿った１PASS照射の施術で初回治療から数ヵ月後にルーチンで追加照射を行う施設も散見される。2回の治療を行うことは、疼痛やリスクなども２回になる上、治療費負担も2倍になる。 甲府昭和形成外科クリニックでは、2018年1月以降400例を超えるミラドライ治療を行い、導入当初より安全性と治療効果の両立を目指して探求を続けている。2022年に演者が本治療を引き継いだのち、より高い効果を求めた治療に挑戦して得た知見や、安全性を高めるために行った工夫などについて報告する。