ランチョンセミナー
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機器たるみ治療は、高侵襲レーザーリサーフェシングから始まり、光治療、ノンアブレイティブレーザー、RF、HIFUなどの新しいエネルギーソースと低侵襲治療が開発されてきた。機器治療は皮膚の熱反応を利用したものであり、たるみ改善の機序は、真皮・皮下組織の線維構造の熱収縮と線維構造の再構築であることから、近年は、HIFU、RFなどのたるみの深部構造に到達するエネルギー機器が評価される傾向にあった。 同期平行型超音波ビーム(Synchronous Ultrasound Parallel Beam:SUPERB®)は、真皮内に並列する円柱型の加熱領域を1.5㎜の深さを中心に60℃以上の高熱を発生させるユニークな機器Sofwave®により発振される。本邦では当初、熱到達深度が浅く、たるみには効果が少ないのではと危惧されたが、強い真皮収縮による皮膚表面積の縮小は、顔全体のたるみの形状にも波及することが確認されている。また、皮膚表面に近い熱刺激は、ノンアブレイティブでありながらアブレイティブレーザーのような皮膚の若返り感が得られる。 SUPERB®の真皮収縮は他の機器との組み合わせが容易で良好な結果が得られている。また、 最近、主に顔全体に用いる従来の7本のLiftアプリケーターに加え、3本のPreciseアプリケーターが開発され、上眼瞼などの狭いエリアに適応でき、上眼瞼リフトの新しい治療として期待されている。SUPERB®の上眼瞼リフトに関する知見が得られたので報告する。
昨今、様々なエネルギーソースを用いた各種たるみ治療機器が登場している。筋膜や皮下に対して十分な熱エネルギーを与えることができる機種はあるが、特にたるみに大きく関与する真皮層に関しては、表皮の損傷が危惧され、十分な熱エネルギーを与えることが難しいとされてきた。 RFは広範囲な加熱に優れるが、表層へのダメージを与えずに真皮のみを選択的に加熱することが難しい。HIFUでは表層へのダメージを最小限に安全に真皮をしっかりと加熱する場合、熱が波及する領域は非常に小さい。 これらを凌駕した、真皮への広範囲で十分な加熱を可能とするのがSynchronous Ultrasound Parallel Beam SUPERB®、つまり同期平行型超音波ビームという新しい技術である。皮膚表面を冷却しながら超音波ビームを照射して、1.5mmの深度を中心として熱変性を生じさせる。従来の超音波技術であるHIFUと異なり、集束された点状の焼灼ではなく、7本の平行なビームが同時に発振され広範囲に強い熱変性が生じるのが特徴である。 従来にはない真皮の熱変性作用があるため、世界各国でこの技術を搭載した機器Sofwave®が盛んに臨床使用され高い評価を得ている。 皮膚の強い張り感を得ることができ、しわの改善を得るのみでなく、顔全体の引き上げ効果が視認できる。 本講演ではたるみの成因及びSUPERB®の理論と実際について解説し、各種たるみ治療機器との比較や相違についても言及したい。