かつて皮膚科開業医を悩ませたアトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、乾癬に有効性の高い治療法が開発されてきた昨今、今なお開業医に残された難敵は尋常性白斑と円形脱毛症ではないでしょうか？かつては隠すこと、カバーすることしかアドバイスできなかったこれらの疾患に対してエキシマレーザーを用いた治療によって一矢報いることができた！一矢報いることができた症例を供覧し、従来の光線治療よりも優れたエキシマレーザーの特性を考察したい。

308nmエキシマレーザー機器は2006年にPhotoMedex社から発売され、バージョンアップを経て、現在は第五世代にあたるXTRAC®が供給されている。本邦においては2019年に同機器が保険収載され実臨床で使用可能となった。慢性皮膚疾患に対して、PUVA療法やNB-UVB療法などの光線治療が施行されており、またターゲット型エキシマランプ治療器も広く普及している。XTRAC®の本邦での薬事承認により、紫外線治療が新たな時代を迎え実臨床での治療経験が蓄積されてきている。当施設では、2020年よりXTRAC®を導入し、各種慢性皮膚疾患に対して治療を行ってきた。主な治療疾患は尋常性乾癬、尋常性白斑、円形脱毛症である。これまでの治療経験を提示する。