
アフタヌーンセミナー
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Sofwave™(ソフウェーブ)は、高周波超音波を用いた非侵襲的な皮膚引き締め装置であり、真皮中層に熱エネルギーを集中させることで、コラーゲン再生と皮膚のタイトニングを促進する。独自のSynchronous Ultrasound Parallel Beam(SUPERB™)技術により、表皮および周囲組織への熱影響を最小限に抑えつつ、短時間かつ効率的な治療を可能とする。 本機器は2025年4月、顔面および頚部のしわ改善を目的とした「皮膚引締め用超音波照射器」として厚生労働省より薬事承認を取得した。美容領域における非侵襲的超音波装置として、日本国内で初の薬事承認事例であり、安全性と有効性が公的に認められた点において、臨床的意義は大きいと考えられる。 本講演では、まず当院における照射手技と疼痛管理について言及する。ソフウェーブ照射時はHIFUやRF以上の疼痛を訴える患者が多いため、当院では高濃度リドカインクリームと鎮痛薬の筋注、さらに冷風機の併用により疼痛をコントロールしており、他機器と同等水準の快適性が得られている。 次に、臨床効果として特筆すべきは、真皮内加熱による小じわの改善と顔全体のタイトニング効果である。特に治療後は目尻や口元の小じわ、額のスキンタイトニングによる開瞼改善などが認められる。また、皮下組織の萎縮が懸念される症例や、顔貌の自然さを重視する患者に対して、フィラー注入量を抑制しつつ自然な引き締め効果を提供できる点も本機器の利点である。 さらに、皮膚表面の質感改善や頸部のしわ・たるみに対する治療効果も報告されており、従来のエネルギーデバイスでは満足な効果が得られにくかった部位に対して新たなアプローチを可能としている。 本発表ではこれらの知見を、実際の症例とともに供覧し、Sofwave™の臨床的位置づけと今後の可能性について考察する。

マスク着用が日常であったコロナ禍から明けて突如ブームとなったたるみ治療は、2年以上が経過した現在でも、たるみ治療への関心は衰えることなく続いている。多様な年代・悩みに対応するには、それぞれのたるみの解剖学的要因を見極める力が求められる。スレッドリフトは、吸収糸または非吸収糸を用いて下垂した顔面軟部組織引き上げ、固定する方法である。これはジョージアの形成外科医Dr. Sulamanidzeにより開発されたコグ付き糸の出現により切らないフェイスリフト として瞬く間に世界中で人気となった。Dr. Sulamanidzeはエイジングだけでなく、顔面神経麻痺による左右差の補正など、形成外科で扱う幅広い症例にもスレッドを応用している。今回は、形成外科的知識をもとに、切開フェイスリフトにも通じる解剖学的理解と、Aptosスレッドを用いた安全かつ効果的にリフトアップを行うための評価法・デザインについて、自身の臨床経験を交えて解説する。形成外科医だからこそ可能な、安全性と効果を両立した糸リフトの可能性を提示したい。