近年、多様なたるみ治療機器が登場し、患者のニーズに応じた選択肢が広がり、高周波を用いた機器や超音波を用いた高密度焦点式超音波治療法を中心に広く普及してきている。皮膚引締め用超音波照射器Sofwave™（Sofwave Medical Ltd. イスラエル）は、10–12MHzの超音波を経皮的に照射し、真皮への加熱凝固作用により、中等度又は重度の顔面および頸部のしわの改善を目的とする機器である。2025年4月には国内で薬事承認を取得している。独自技術「SUPERB®」により、皮膚表面を保護しながら真皮中層（深度1.5mm）に限局した円柱状のタンパク変性領域を形成し、コラーゲンやエラスチンの産生を促すことで、コラーゲンのリモデリングによるタイトニング効果が得られる。当施設では2024年10月の導入以降、顔面および頸部を対象として591件の施術を実施した。全国に展開するチェーンクリニックとして、治療プロトコルの標準化にも取り組んでおり、今後の多施設展開を見据えたモデル構築を進めている。本発表では、SUPERB®の作用機序と臨床使用経験、代表症例を紹介し、顔面と頸部のしわの有効性と安全性について文献的考察を交えて報告する。

同期平行型超音波は、1.5mm深度に長さ約5mmの円柱状熱領域を1照射あたり7本、皮膚面と平行に形成することにより広範囲かつ均一な真皮加熱を可能とする。本技術により作成される熱領域は、細胞外マトリクスの再構築に理想的な条件を満たしており、顔面のタイトニングだけでなく肌質改善効果を同時に得られるという臨床的利点を併せもつ。 付加される熱総量に注目した照射方法が用いられることが多いが、当施設では2022年9月の機器導入時に、熱エネルギーの「軸性」と「連続性」に注目し真皮収縮に指向性を付与する「Thermal-Thread Technique®︎」を開発・治療を行っている。2025年7月現在、画像解析および患者満足度評価において良好な結果が得られており、本機器による治療は安全性と治療効率を有する非侵襲的皮膚若返り治療の有力な選択肢となり得ると考えている。 本セッションでは機器原理・治療方法について治療結果を供覧しながら説明する。