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円形脱毛症に対するエキシマ照射療法についてそのエビデンスとコツを解説し、日常臨床で特にXTRACをどう活かすかについて述べたい。 円形脱毛症に対するエキシマライト/レーザーについては2件のメタアナリシスがあり、いずれもその有効性を証明している。すなわち、エキシマライト/レーザーをまとめたメタアナリシス(5件の臨床試験(n=129))では毛髪回復について照射群のコントロール群に対する優越性が示され(相対リスク7.38、95%信頼区間2.11-29.11)、他方エキシマレーザーに限った4件のコントロール試験(n=105)をまとめたメタアナリシスでは、治療反応例数比較によって照射群がコントロール群より有意に円形脱毛症を改善させたとされた(標準化平均差18.37(95%信頼区間3.28-102.77)。円形脱毛症では毛球部炎症から症状発現までに数ヶ月のタイムラグがあることから、特に多発型や広範囲型では全体的な照射を推奨する。その点で照射時間が短く毛髪による遮蔽が少ないXTRACは円形脱毛症治療において考慮すべき選択肢であろう。

本講演では、エキシマレーザーの皮膚疾患に対する治療効果と他の治療法との併用について当院での症例提示、また、エキシマレーザーを導入するにあたっての経営的な側面についても解説する。 エキシマレーザーは308nm単一波長の紫外線を照射することで、白斑、円形脱毛症、痒疹などの疾患に対して高い有効性を示している。 近年JAK阻害薬の登場により改善する患者が増えたが、副作用や費用の面でJAK阻害薬を導入できない患者もいるため、エキシマレーザーの位置付けとしてはまだ重要なものである。症例を通してエキシマレーザー治療の経過を供覧する。経営面では、エキシマレーザーは導入コストが高額であり維持管理費なども負担が大きいが、本講演でエキシマレーザーの導入ハードルが下がり導入を前向きに考えてもらえると幸いである。