アフタヌーンセミナー
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糸リフトは、2024年に二重形成術を上回り、日本国内において最も施行件数の多い美容外科施術となった。昨今では、素材やコグの形状が工夫され様々な種類の糸リフトが存在し、より患者の症状や目的に合わせた最適な糸リフトの選択が求められるようになった。 第4世代のAPTOS® Visage NAMICAは、ヒアルロン酸が内包されたマイクロカプセルが糸に無数に付着し、リフトアップ効果に加えて肌の質感や構造を改善させる肌育治療としての効果も期待できる。 また、素材として用いられているPLA/CL(ラクチド-ポリカプロラクトン重合体)は、PLLAの強度(組織把持力)を持ちながら、PCLの柔軟性があるため、PLLAの脆さ(分解に伴う細片化)がカバーされ、強いリフト力と効果持続性を兼ね備えた素材であるといえる。 双方向に配置されたコグは固定力が高く、糸は数回折り返されしながら全顔で10本使用される特性から、面での引き上げを得意とし、Vertical方向Lateral方向へと自在なバランスでデザインできる。 このようなユニークな特性がある第4世代のAPTOS® Visage NAMICAについて症例提示と共に、患者満足度を最大化するための糸の選択、デザイン設計について検討する。
たるみ治療への関心が高まる昨今、多様な年代・悩みに対応するには、それぞれのたるみの解剖学的要因を見極める力が求められる。スレッドリフトは、吸収糸または非吸収糸を用いて下垂した顔面軟部組織を引き上げ、固定する方法である。これはジョージアの形成外科医Dr. Sulamanidzeにより開発されたコグ付き糸の出現により切らないフェイスリフトとして瞬く間に世界中で人気となった。Dr. Sulamanidzeはエイジングだけでなく、顔面神経麻痺による左右差の補正など、形成外科で扱う幅広い症例にもスレッドを応用している。 健康で若々しい皮膚を維持するうえで、皮下脂肪は単なる充填組織ではなく、血流・栄養供給・機械的保護を担う重要な構造体である。近年の切開フェイスリフトにおいても、皮弁を挙上する際に極力皮下剥離範囲を抑え、皮下脂肪を十分に温存することが長期的な質の維持に不可欠とされており、この考え方はスレッドリフトにも通じる。細径かつ柔軟で、ヒアルロン酸でコーティングされたAPTOSの糸は、組織への侵襲を最小限に抑えながら皮下脂肪層を保護した状態でリフトアップを実現できる点が大きな特長である。 今回は、形成外科的知識をもとに、切開フェイスリフトにも通じる解剖学的理解と、Aptosスレッドを用いた安全かつ効果的なリフトアップのための評価法・デザインについて、自身の臨床経験を交えて解説する。形成外科医だからこそ可能な、皮下脂肪を守りながら安全性と効果を両立した糸リフトの可能性を提示したい。