ランチョンセミナー
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ミラドライはマイクロ波加熱を利用した多汗症治療器で、真皮深層と皮下組織のアポクリン汗腺・エクリン汗腺が存在する領域一帯を焼灼・凝固することで、切らずに永続的に発汗機能を抑制する機器である。国内における腋臭症・多汗症治療としては、効果は高いが手術瘢痕が残る手術療法と、永続的な効果はなく、耐性を生じるリスクがあるボトックス治療が主流であった。しかし2010年より日本にもミラドライが導入され、プロトコルの改良により、手術瘢痕を残すことなく高い治療効果を得られるようになってきた。現在では、国内で約120台のミラドライが稼働しており、一般的な治療として認知されてきた。そして、治療効果と安全性が認められ、2018年6月に国内で初めて重症腋窩多汗症の治療器として薬事承認を取得することができた。 2018年6月に施行された改正医療法や薬機法により医療広告規制が強化され、未承認器のホームページ・ネット広告での掲載に慎重な取り扱いが求められるようになった。治療効果の高さに加え、この点においても、承認器であるミラドライは優位性の高い治療器である。 本講演では、ミラドライについて治療の仕組み、治療効果、施術上の注意点について解説する。
ミラドライはマイクロ波を使用した唯一の腋窩多汗症治療器である。ワキ汗の原因となる汗腺の大部分が存在する真皮深層から皮下組織浅層にマイクロ波を用いて加熱することで、汗腺を焼灼・凝固し発汗を抑制する。汗腺を焼灼・凝固するため、高い効果が得られ、長期的に効果が持続すると考えられている。独自のコンタクト・ヒーリングにより、表皮や真皮浅層の熱損傷を防ぐため、傷を作らず、効果的な多汗症治療を行うことが可能である。 当院では国内承認となる前の2012年3月にミラドライを導入し、2019年1月までに合計501件施術を行った。特に多汗を主訴とする方を中心に施術を行い、比較的満足する結果を得ている。 2018年10月1日より2018年12月31日まで60件の施術を行い、不満・合併症を訴えたのは6例。うち、内出血症例1例、効果不十分と訴えた方が5名であった。効果不十分と訴えた患者様のうち3例は一定期間の後に再処置を行った。当院でのこれまでの症例結果に文献的考察を加え、解説する。 また、導入後症例を重ねる中で、最適な施術を行うため、当院では工夫を行っている。麻酔時に一般的に行われるファニング法に加え、特に施術の難易度が高くなる、痩せ型女性や大胸筋の強く発達した男性において、独自の工夫を行っており、動画解説とともに報告する。