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従来たるみ治療は、外科的手技を主としたものであったが、約20年前から様々な非侵襲的治療法が登場してきた。現在では機器(高周波、高密度焦点式超音波HIFU、レーザー)やヒアルロン酸などの注入剤、各種糸のリフトなどによる治療がおこなわれるようになり、美容皮膚科領域では主流であると言っても過言ではない。 しかしながら美容医療は魔法ではない。それぞれが出せる結果には限りがある。加齢によるたるみは皮膚の弛緩や弾力性の低下、皮下脂肪組織の下垂や構造変化、骨組織の萎縮変形など様々な要因から成り立っている。これらを総合して考え,たるみのメカニズムを解剖学的に理解するとともに、患者個々に異なる加齢変化に応じた治療法の選択と組み合わせを考えるべきである。 当院でおこなっている非侵襲的なたるみの複合治療について、患者満足度を上げるための考え方と実際の臨床について解説したい。
「顔がなぜたるむのか?」というと、加齢とともに外側の皮膚は伸びるが中身の顔面骨格や脂肪組織は委縮し、さらに皮膚(軟部組織)を骨格に固定している支持靱帯も伸びてたるむから、ということに尽きる。上からずり落ちた組織が伸びてたるんだ支持靱帯によって堰き止められ、そこに大きなたるみやシワが生じるのである。したがって、委縮した組織の容量をヒアルロン酸で解剖学的に正しい位置に補充し、たるんだ支持靱帯を支持・補強するような部位にヒアルロン酸を注入することによって加齢機序を反転させることができ、たるみを改善することが出来る。TrueLiftメソッドは、支持靱帯に着目し、靱帯を画鋲留めする要領で、あるいは堤防のごとく支えるポイントに少量注入し、自然な若返り効果を得る注入法である。基本的なヒアルロン製剤の情報、TrueLiftメソッドの基本手技、アセスメント、コツについて解説する。