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紫外線療法は軽症から中等症の乾癬の治療には欠かせない手段の一つである。近年、紫外線治療には線量の効果と副作用比の 大きなナローバンドUVB やエキシマランプによる治療が選択されやすく、また広範囲照射型に比較して全身的な副作用が少な いと考えられる標的型の光線治療機が用いられる頻度が導入されてきた。Excimer は国内初のエキシマレーザーであるXTRAC®(STRATA Skin Sciences 社製)は、アメリカで開発され、2000 年、FDA認可を受けた、紫外線治療に使われるレーザーデバ イスである。アメリカをはじめ、ヨーロッパや韓国・中国などのアジアでは、主にエキシマレーザーが普及しており、日本で もこの度、薬事承認を取得した。レーザーの特性を活かし、308 nm の単一波長の紫外線レーザーを非常に高い光強度で照射す ることができ、より効率よくスピーディな治療が可能である。尋常性乾癬や尋常性白斑、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎など の難治性皮膚疾患の治療に用いられる。今回、XTRAC®を使用する機会を得たので、レーザーとライトの違い、使い方や使 用時の注意点、効果と安全性について解説したい。
乾癬治療において、生物学的製剤や経口PDE4 阻害剤は今や重要な治療選択肢となっている。また、紫外線治療も高い有効性 が期待できるため照射機器や波長のバリエーションも増え、クリニックにおいても導入が容易になりつつある。紫外線治療も 経口PDE4 阻害剤も安全性および有効性がともに優れているため、生物学的製剤の導入が困難なクリニックにおいては中心的な 治療法であると思われる。 当院では、ナローバンドUVB、ターゲット型エキシマライト(VTRAC™、ExSys308)を用いて種々皮 膚疾患に対して紫外線治療を行っている。乾癬に対しては、従来の内服・外用療法にプラス紫外線で機器を使い分けて治療し てきたが、最近は経口PDE4 阻害剤治療で残る皮疹に対してプラス紫外線で積極的に紫外線治療を併用している。経口PDE4 阻 害剤と紫外線治療の併用はより高い有効性が期待できるが、当院での症例を供覧しながら併用する紫外線治療機器や照射方法 の使い分けを考えてみたい。 紫外線治療は乾癬のみならず種々疾患に対して有効性が期待できるため、クリニックにおいて も治療選択肢が増えて患者の期待に応えやすくなる。プラス紫外線でクリニックで行う治療を広げませんか?