ランチョンセミナー
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本邦での尋常性白斑の標準的治療は外用療法とナローバンドUVB療法やエキシマライトなどの紫外線療法であるが難治である場合が多い。308nmエキシマレーザーはエキシマライトよりも照射率が高く、さらに効率よくスピーディーな治療が可能である。また病変部が小範囲である場合、エキシマレーザーは照射面積が小さいため正常皮膚への不要な紫外線暴露を回避できるといったターゲット型照射機器としての利点も有する。308nmエキシマレーザーは海外では尋常性白斑の治療に広く用いられているが、本邦での尋常性白斑における治療効果は検討されていない。今回、昨年末に薬事承認された308nmエキシマレーザーXTRACⓇ VELOCITY 7を用いた尋常性白斑治療を行い、その効果を確認するとともに、MEDとMBD(最少水疱形成量)に基づいた照射の有効性について検討したので報告する。
近年、エキシマライトの普及は目覚ましく、紫外線療法の中でもその地位が急速に増してきた感がある。当院でも、2台の高輝度エキシマライト(VTRACTMと新型ExSys308TM)を用いて、尋常性白斑や円形脱毛症をはじめとする種々の難治性皮膚疾患に対して紫外線療法を行ってきた。また最近では、乾癬治療における経口PDE4阻害剤と紫外線療法の併用効果が注目されてきており、当院でも採用して効果を上げている。この併用療法は、診療所ベースで行える治療法であり、今後クリニックを中心に飛躍的に普及する可能性がある。そこで本講演では、高輝度エキシマライトを使った様々な治療上の工夫を紹介し、まだまだ眠っている治癒能力を呼び起こすエキシマライトの可能性について論じたい。さらに当院では、今年からエキシマレーザーXTRACⓇを導入した。従前の治療が無効であった症例を中心に照射している。その能力は、未だ未知なるも、エキシマライトを遥かに凌駕しているように感じる。本講演ではさらに、この半年間の使用によるエキシマレーザー治療の成績を公開し、その能力の一端を紹介したい。そしてそれは、紫外線療法の新たな時代の幕開けを予感させるものである。