学会情報詳細
第42回日本光医学・光生物学会
日程
場所
日本橋ライフサイエンスビルディング9階
ランチョンセミナー
日時
エキシマレーザーは塩化キセノンガスを媒体として308 nmの単色光を非常に高い光強度(輝度)で照射することができる。この高輝度の光は皮膚の深部への高密度の光の到達を可能にし、従来の光線療法で効果が十分に得られなかった難治性病変や深部病変への効果も期待される。XTRAC® Velocity7はこのエキシマレーザーを搭載した紫外線治療器であり、2019年9月より保険収載され、現在長中波長紫外線療法として保険点数算定が可能になっている。 当教室でも本年よりXTRAC® Velocity7による光線療法を開始し、これまでNB-UVBやエキシマライトにより治療するも効果が不十分であった尋常性白斑や円形脱毛症の症例に対して良好な治療結果を得ている。本講演ではXTRAC® Velocity7の特性や生物学的作用について説明し、その特性に基づいた効果的な使用法や使用時の注意点について当科で経験した症例を提示しつつ解説したい。
311~312nm付近にピークを持つnarrowband UVB照射機器が2002年に本邦でも発売され、現在本邦における光線療法はnarrowband UVBを用いることが主流と思われます。2007年に本邦でターゲット型エキシマライトが発売されましたが、エキシマライトは308nmにピークを持つ光線療法であり、従来のUVAやnarrowband UVBのランプとは全く異なる原理で発光します。ターゲット型と称されるように、限定された照射野に効率的に紫外線を照射出来ることが特徴です。 エキシマライトはnarrowband UVB療法も含め他の治療で残存した難治性皮疹にも疾患を問わず効果を期待できます。また、ターゲット型であるため、頭皮などのこれまでは光線療法が難しかった部位にもよい適応となります。本講演では、エキシマライトについて基本事項を解説するとともに、当科においてエキシマライトを用いて治療した乾癬・痒疹・白斑・手足湿疹などの様々な皮膚疾患の症例を供覧し、その有用性について考えてみたいと思います。エキシマライトは広範囲の照射には向かないものの、比較的限局した難治性皮疹を治療するための強力な武器になるため、是非とも日常診療に取り入れたいものです。
備考
第42回日本光医学・光生物学会は新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、2020年5月22~23日(金~土)から2021年1月22~23日(金~土)へ開催延期となりました。