我々皮膚科医にとってPUVA、ナローバンドUVB、ターゲット型エキシマライトなどの紫外線治療機器は難治性の皮膚疾患や痒みの治療において今や欠かせないものとなっている。使用法も複雑ではなく機械さえあれば大学病院でもクリニックでも同等の治療を提供する事ができ、対象疾患もアトピー性皮膚炎から悪性リンパ腫まで幅広く存在する。最近では小型のターゲット型エキシマライトが使用可能となり、紫外線治療を行う施設は急速に増加し、多くの患者が紫外線治療の恩恵を得られるようになった。2018年には本邦で初めてエキシマレーザーであるXTRACが厚生労働省の薬事承認を取得し、より高い輝度の光を治療に用いる事が可能となった。海外では古くから使用され、豊富なエビデンスが存在するが本邦での使用実績は少ない。今回は福岡大学でのXTRAC使用症例を解析し、治療の実際を提示しながらXTRACが最もよい適応となる疾患・病態について明らかにしていきたい。

近年、エキシマランプの普及はめざましく、紫外線療法の中でもその地位が急速に増してきた感がある。当院でも、２台の高輝度エキシマランプ（VTRACとExSys308）を用いて種々の難治性皮膚疾患に対して紫外線療法を行なってきた。その経験から得られた高輝度エキシマランプを使った様々な治療上の工夫を紹介したい。さらに当院では、昨年からエキシマレーザーXTRACを導入した。その効果は凄まじく、エキシマライトを遥かに凌駕しているように思われる。よって、本講演ではこの１年間におけるエキシマレーザーの効果について、特に尋常性白斑と円形脱毛症に絞って解説したい。